「あと半年したら楽になるから」という社長あるあるが起こるメカニズム

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実話です。
2人の似たような社長がいました。

ひとりは美容院を3店舗経営している鈴木さん。
地域では成功した美容院経営者と思われていました。

けれど、その内実は…
1日14時間労働。美容師として現場にも立ちます。毎日現場で働き続け、水仕事の宿命である手荒れがひどくてたえずあかぎれができているような状態でした。

思ったように動いてくれないスタッフにイライラ。いくら同じことを注意してもやってくれません。

それでいて役員報酬もそれほどでもなく。サラリーマンに毛が生えた程度。
夢だった年商1億円にも到達したのに思ったように役員報酬が増えない。

年商1億円でどれくらいの役員報酬を取るのが適正なのか?
それを調べているときに「年収1億円なら役員報酬2000万円くらいは取らないと…」という私の発言をきっかけに、私のセミナーを受講しました。

それをきっかけに店舗数は7店舗まで拡大。

一方で現場からは完全に抜け、経営者としての仕事に集中することができるようになりました。
結果、働く時間も1日数時間。最近では、空いた時間を使って美容院経営者に向けてコンサルティングもして業界の活性化に取り組んでいます。

 

全く逆の決断をしたもうひとりの社長

もうひとりは治療院の経営者、中宗さん。
彼も、業態は違えど鈴木さんと同じく3店舗を経営していました。

中宗さんも鈴木さんと同じく、社長が孤軍奮闘している状態。
中宗さんが店舗に行けばピリっと締まりますが、中宗さんがいないとスタッフはサボり放題。
受付で寝ている店員まで…お客さんに指摘されてはじめて気づいたそうです。

なんとか打開策がないかと悩んでいたところ私のセミナーを受講しました。

このセミナーをきっかけに中宗さんは3店舗を1店舗に減らすという決断をしました…
結果…利益は3倍になりました。
家族との時間も取れるようになり週休2日になりました。

最近は、現場も抜けられるようになり「スタッフが私よりも売ってくれるようになったんですよね」と報告をしてくれました。

 

全く違う2人の社長の決断。けれど、目的は…

この2人の社長。
同じように3店舗を持っていました。

そして、私のセミナーをきっかけに、美容室の鈴木さんは店舗を増やすことを選び、治療院の中宗さんは店舗を減らすことを選びました。

一見すると全く違う決断をしたことになります。
けれど、2人の目的は全く同じでした。

それは…
「あと半年したら楽になるから…」
と何年も言い続けて苦労させてきた家族ともっと充実した時間を過ごす、ということ。

そのためには働く時間を減らさないといけない。
とはいえ、せっかく自分でビジネスをしているのだから良い生活もさせてあげたいから、利益も増やす必要があります。

働く時間を減らしながら利益を増やす。
一見、矛盾する要素を両立させるために2人の社長は一見真逆の決断をしたのです。

 

なぜ頑張っている「から」うまくいかないのか?

多くの社長は家族を楽にするために頑張っています。
子供にベストの教育を受けさせてあげて、両親に恩返しをして、奥さんをねぎらいたい…そんな気持ちでビジネスをしています。

そして、例外はないというくらい、身を粉にして働いています。

けれど、それでは(「それでも」ではなく)うまくいきません。
あなたのビジネスの構造がそうなっているからです。

例えば…ライバルと比べて良い商品・サービスを売っているはずなのに、その良さが伝わらず結局価格勝負になっていたりしませんか?

差別化と称して料金外のサービス。時間外に呼び出されても対応。お客さんの便利屋のように働いていたりしませんか?
スタッフはあなたが指示した通り動かない、あなたの思っているクオリティに到達していないとかはないですか?

もしあなたの現状がこれらの質問に対して「YES」という答えになっているなら…頑張るのをやめるべきです。

 

“不幸な売上アップ”のメカニズム

なぜなら、利益が薄い…お客さんに振り回されている…スタッフが言うことを聞かない…
そのケツを拭くのは結局あなただから。

こんな状態でお客さんを増やしたとしても利益が対して増えない割に、労働時間が増え、それに伴い追加コストもアップ。
頑張っているのにお金が残らない…ということが起こります。

例えば、今あなたが年商5,000万円だとして2倍の年商1億円を目指しているとしましょう。

いま現在、あなたは価格で選ぶ、あなたを振り回すようなお客ばかりだったら…2倍の数のそんな面倒なお客と付き合う必要があります。

いま現在、便利屋的に料金外のサービスをしているなら…客が2倍になれば今の2倍そんなサービスをする必要があるということです。

面倒がお客が2倍に増えたら…あなたやスタッフのストレスは2倍!どころか体感では4倍以上でしょう。面倒なお客が増えたら倍々ゲームでストレスが溜まります。
ツイてないときに、何か面倒ごとが起きたら普段よりしんどいのと同じメカニズムです。

結果、「あと半年したら楽になるから…」と家族に言い続けることになります。
このような売上アップを私は“不幸な売上アップ”と呼んでいます。

 

あなたがまず目指すべき状態は…

多くの社長は現状を打破するためにお客さんを集めよう、年商を増やそうと考えます。
しかし、ただ闇雲に集客したり年商を伸ばしたりだと、今のあなたの悪い状況にレバレッジがかかるだけです。

そして、数字についてもトリックがあります。
集客が2倍になって年商が2倍になれば、利益も同じように2倍になるはずだ、と思いがち。

お客さんが2倍になったら、その分、対応に手がかかります。
となると、人を増やしたりシステムを入れたりが必要です。

年商と比例して利益が伸びるわけではないのです。
当たり前のことなんですが…意外と忘れがちです。

年商を増やす方法と利益を増やす方法は別だ、ということです。

それにいち早く気づいた鈴木さん、中宗さんは「家族と充実した時間を過ごしたい」という目的から逆算して、それぞれにピッタリと合った方法を選んだ、ということです。
では、その方法は…

次回以降お話しします。

 

まとめ

多くの社長のビジネスの目的は「家族と充実した時間を過ごすこと」

けれど、現実は「あと半年したら楽になるから…」と言い続けている。
なぜなら、それは目的から逆算してビジネスモデルを作っていないから。

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