「社会のため」「使命」「志」などキレイゴトを語る社長はだいたい嘘、という話

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ソフトバンクの孫正義さんは創業初日、みかん箱の上に立ち、「わが社は5年以内に100億円、10年で500億円、いずれ1兆円企業になる」と2名のアルバイトの前で演説したそうです。

それ以外の有名社長の書籍や発言なんかを見てみると「大きな志を持て」「使命が重要」だとか言います。

ちょっと考えれば、こんな話はおかしいってわかります。

こういう話って、会社が大きくなってきてから出てくる話です。
社長もある程度、社会的地位があるわけで。

「いやー起業当初はめっちゃ稼いで、お金持ってフェラーリ乗り回そうと思ってたんですよね」
「女の子にモテたかったんですよ」
なんてこと表立って言えるわけありません。

こんなものあくまで建前に決まっています。
見る側も実るほど頭(こうべ)を垂れて欲しいという、一般大衆の謎の期待もありますから「で、本音は?」と突っ込む野暮なことはしません。

もちろん起業した当初から本気で「社会のため」だとか言っていたとしたら…それは天才でしょう。
実際、孫正義さんなんて誰がどう見ても天才でしょう。

あなたがもし天才なら天才から学んでください。
しかし、自分を天才だと感じられないなら…少なくとも天才と同じことをしてうまくいくわけがありません。

 

凡人はまず欲求に忠実に

凡人には凡人のやり方があります。
大丈夫。私のクライアントは全員凡人です。
もちろん私自身も。

凡人である我々は「社会のため」「業界のため」「使命感に燃えて」ビジネスをする必要はありません。

オレを振ったあの子を見返したい…
フェラーリに乗りたい…
モテたい…
一等地のタワーマンションに住みたい…
南の島でリタイアしたい…

俗物根性丸出しでそれをドライブにしてビジネスをしてください。
本音では思ってもないような社会貢献より、本音の欲求の方があなたが頑張る原動力になりますから。

 

我々凡人が目指すべきゴール

そして、まずは「あなたの価値を認めてくれる良いお客さんだけと付き合い、働く時間を1日4時間にして月収200万円にすること」を目指してほしいと思います。

なぜか?

理由はシンプル。
あなたの本当の欲に気づくためです。

月収200万円あれば、あなたが物欲大魔神でもなければ欲しいものはほとんど買えます。
服は値札を見る必要もないし、高級外車もタワーマンションも無理のないローンで手に入ります。
年に数回海外旅行にも行けます。
お子さんにも十分な教育を与えてあげることもできますし、両親にもある程度の援助もできます。

それでも、毎月お金が余るから貯金に回ります。

そして、給与所得者のうち上位0.6%には入ります。(国税庁『平成27年分 民間給与実態統計調査』p.25」)
だから、自尊心も満たされます。

つまり、月収200万円あれば、ほぼあなたの欲は満たされるというわけ。
結果、どうなるか?

今までお金や物欲のために働いていたのが、目標がなくなります。
ぽっかり穴が空いたようになります。
そして、その穴を埋めようと「自分は何をしたいのか?」自問自答し始めます。
そこで、ほんとうにやりたいことに気づく、というわけです。

実際、「女性にモテたい」「スポーツカーが欲しい」「タワーマンションに住みたい」「南の島でリタイアしたい」…欲丸出しの社長が「社会貢献」「社員のために」と言い始めるのが月収200万円前後であることは、その証拠です。

その頃には社員、アルバイトなどのスタッフも増えてきて本人の欲を丸出しにしては人が付いてこないという実際上の理由もありますが…
やはり自分が満たされるというのが一番大きいでしょう。

いや、私は自分の欲求のために起業したんじゃない。
社会に貢献するためだ。業界を変えるためだ。
という反論があるかもしれません。

けれど、あなたが月収200万円でなければ、その反論は受け付けません。
「東大なんて大したことない」というのは東大に入れる学力があるから言う権利があるわけで。

もし本音だったとしても…実際に月収200万円に達してもなお同じことを言い続けていれば、やっとそれが本音だと証明されるということです。

 

なぜ働く時間も減らすべきなのか?

もうひとつ気づいて欲しいことがあります。
それは…あなたに目指して欲しい目標は、単なる月収200万円ではない、ということ。
「働く時間を1日4時間にして」という前提条件がつくことです。

なぜか?
月収200万円になるのは自分の欲を満たし本当の欲に気づくためだとお伝えしましたが、働く時間を減らすことも自分の本音に気づくのに重要だからです。

おそらくお金だけあっても、欲は満たされません。
新しいスキルを学びたい…
ジムで健康維持がしたい…
家族と一緒に過ごしたい…
これらにはまとまった時間が必要です。

例えば、海外旅行に10日行くにしても、毎日10時間も働いているような社長であれば、遊んでいる時も仕事のメールが気になります。
逆に、4時間しか働かない社長であれば、旅行前後に詰めて仕事をすれば、旅行中は全く仕事のことを考えない、仕事の連絡も一切とらないということも可能です。

もし月収200万円あったとしても、毎日10時間働いていたら、純粋に仕事以外のことだけに集中する時間はありません。
旅行や遊びなど集中してやりたくてもやれないフラストレーションが溜まります。

結局、頭にあるのは仕事のことばかり。
だから「本当に自分がやりたいことは?」と改めて考える時間はありません。

自分の本音を知るにはお金だけでなく、時間も重要なんです。

忙しいままだと、自分のしたいことを改めて考えることもありません。
結果、会社の売上を増やすことに必死になります。
「もっと会社が大きくなれば、仕事を任せられて時間ができる」と。

だから、いつの間にか成長という前提条件に囚われていることに気づかず、とりあえず会社を大きくすることに必死になります。

 

拡大がダメなわけではない。ダメなのは…

だから、月収を200万円にして、すべての物欲を満たす。
そして、働く時間を4時間にして、やりたいことをすべてやる。

自分の欲が満たされればお金のため、家族のために働いてはずが、全ての目的を失うことになります。
結果、「何のためにビジネスをしているのか?」と改めて考えざるを得ません。
「働くことが虚しくなる」という方も多いです。
そして、そのまま2、3年くらい悩み続けるという方も少なくありません。

「お金がないときよりも辛い」という人も多いです。
しかし、それを乗り越えて初めて自分の本音―例えば、本当に自分がやりたいこと、ミッションに気づけます。
その本当にやりたいこと・ミッションと照らし合わせて、売上を右肩上がりに増やし従業員を増やすことがピッタリと合うなら…
右肩あがりの成長を再選択してほしいと思います。

この本音に気づくプロセスがないまま右肩上がりを志向していたら、それは単なる脊髄反射です。
動物と同じです。

あなたが社長になったのはなぜですか?
自分の人生の選択肢を増やすためのはず。

ならまずは、自分の真の本音を知って欲しい、と思います。

 

まとめ

あなたの偽らざる本音を知るために、とりあえず
「あなたの価値を認めてくれる良いお客さんだけと付き合い、働く時間を1日4時間にして月収200万円にすること」
を目指せ。

そして、本音がわかったら最適な会社の成長パターンを選ぼう。

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