「品質を見ずに価格だけで選ばれてしまう」
「ウチの商品・サービスの良さを理解してくれない」
「ウチよりも質が低い競合の方が売れている!」
多くの社長がこう言います。
この理由はただひとつ、価値が伝わっていないから。
例えば100の力がある商品・サービスがあります。
あなたが50%しかの価値を伝えられなかったら、お客さんはあなたの商品・サービスを50と理解します。
一方、ライバルの商品・サービスは80の力。
あなたより20も低いわけです。
けれど、そのうち80%の魅力を伝えられたら…お客さんはライバルの商品・サービスを64と理解します。
ということで、同じ価格なら売れるのはライバルの商品・サービス。
お客さんからあなたの商品・サービスを選ぶ理由は価格しかありません。
品質が低く見えるわけですから、その分安くしろよ、と。
なまじ商品・サービスが良いばかりに、その良さ・価値を伝える努力を怠ってしまう。
結果、伝える努力をしている質の劣る競合が売れてしまうわけです。
正しく価値を伝えなければ、どれだけ良い商品・サービスを扱っても売れるわけがないということなんです。
では、どうやって価値を伝えるのか?
というのが、今回のテーマです。
牛丼の値段を簡単に倍にする方法
さて、いきなりですが質問です。
あなたは牛丼にいくら払いますか?
吉野家やすき家といった牛丼チェーンのイメージもあってか500円も出したくないという人もいますが(笑)
セミナーなどでこの質問をすると「800円くらい」までが多いです。
さて、もうひとつ質問です。
すき焼き丼にいくら払いますか?
1500円、と言われても納得してしまいませんか?
※ちなみにすき家では牛丼並盛り350円が牛すき焼き丼並盛りは倍近くの690円です。
けれど、よく考えてください。
牛丼は牛肉しか乗っていません。
すき焼き丼は牛肉に加えて、ネギや豆腐。
おそらく原価はすき焼き丼の方が安いはず。
けれど、高級イメージのある「すき焼き」の名前を冠することで、1000円の壁を楽々突破してしまうわけです。
価値を伝える秘訣:比べる対象を変える
お客さんは何か別のものと比べて「たぶん、こんなもんだろう」と価値を推測しているに過ぎません。
あなたの商品・サービスの価値を正確に理解している人なんていません。
(念のため、お伝えしておきますが、それはお客さんをバカにしているわけではありません。だって、私たちもお客さんの立場の時は同じことをやっていますから。)
すき焼き丼と名乗ることで高級料理・すき焼きと比較されるようになりました。
牛丼と名乗ると、いつまでも敵は吉●家、●き屋です。
けれど、すき焼き丼と名乗るとぜいたくな食事の象徴すき焼きが比較対象。
ちなみに、比べる対象を変えてうまくいった例で有名なのがドミノピザ。
「30分で熱々のピザをお届けできなければ無料」
これで宅配ピザ業界を席巻しました。
ポイントは味についてまったく触れていない、ということ。
普通なら、いかに美味しいかとかで争うはず。
けれど、味ではなく熱さを比較対象にすることで争ったわけです。
価格アップを実現したクライアントの実例
弊社のクライアント・英会話学校を運営している加藤さんの事例です。
彼は英語を学べる教室を作りました。
学生向けに比較的安い金額設定をしました。
しかし、当然利益率は低い。しかも、未納率も高い。
結果、働いても働いても利益があまり残りませんでした。
そこで価格をアップしました。
(彼の価格アップのプロセスは別でお話します。)
結果、客数も増えました。
なぜか。
安いときは月数千円のオンライン英会話と比べられていたからです。
しかし、実際の教室を構えるビジネスが、安い外国人をオンラインで使うビジネスモデルに価格で勝てるわけがありません。
しかし、価格をアップした結果…
大手の高額英会話学校と比べられるようになったのです。
大手の高額英会話学校なみのサービスだけれど、そこよりは安い。
値ごろ感を感じたお客さんで一気に繁盛した、というわけです。
まとめ
・あなたはどの商品や会社と比べられているでしょうか?
・どこを比べられると競合に勝てますか?
・本当に比べてほしい場所で比べられていますか?
ぜひ考えてみてください。